2020年8月27日追記
2021年度は推薦選抜の方式が変更になりました。今年度は書類選考が加わり2段階方式の選抜です。恐らくコロナ感染症対策として人数の絞り込みをしているのだと思われます。
受験経験者の親として、東大附属の推薦対策を書いてみたいと思います。最初にお断りですが、私たちの子供は推薦は残念な結果でした。この記事では受験後振り返ってみて、今感じていることを書かせていただきます。
推薦選抜の内容
東大附属の推薦選抜は「筆記テスト」、「グループワーク」、「面接」の3つです。
筆記テストは50分間です。内容は年度により異なりますが、おおむね、論述(作文)、算数、図表読み取り、時事問題が出題されるようです。
筆記テストの後、グループワークと面接が行われます。
グループワークでは数人単位で課題に取り組み、意見交換をして発表を行います。きちんと人の話を聞き、また自分の意見を言えることが必要です。ちなみに2020年度推薦入試の内容は、大原予備校の推薦対策講座の予想問題とほぼ一緒だったそうです。恐るべし大原予備校!
面接は個別に行います。受験番号によってはかなりの待機時間があります。
■大まかなタイムテーブル
時間 | 内容 | 注意事項 |
8:10 | 入場開始 | 携帯電話は親に預ける。内部に持ち込むと受験失格となる恐れがある。 |
9:00 ~ 9:50 | 適性検査 | |
10:10 ~ 10:40 | グループワーク・面接 |
推薦選抜の対策
筆記テストは一般入試よりも易しく、また特に変わった出題がされるわけではないので特別な対策は必要ないと思います。
ただ、論述はほぼ間違いなく出題されるので、論述対策は必須です。
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グループワークでは立候補でリーダー役が選出されます。リーダー役は必然的に発言回数が増えて目立ちますが、必ずしもリーダー役が有利というわけではないようです。
人の意見を聞いたり、自分の意見を言えることが大事です。事実、推薦の合格者番号を見ると、1つのグループから多数の合格者が出ています。個別の出来よりグループ(チーム)としての出来が大事なのかもしれません。
全体として、推薦は小手先の対策で合格するのは難しいのではないかと感じます。例えばグループワークで自分の意見を発表したり、他人と意見交換したりという能力は短期間で身につくものではないからです。
それでも私たちの子は大原予備校で推薦対策講座を受講しました。最善を尽くしたいと考えたからです。
子供にとって、グループワークや面接の練習は日常にはない経験で、大きな刺激になったようです。結果として推薦は残念な結果でしたが、子供の精神的成長がみられ、それだけでもやってよかったと思いました。
振り返って思う推薦選抜のコツ(※2020年8月追記)
私たちの子供は推薦を受けたものの残念な結果でした。今振り返って思うのは(子供の話を聞いたりして)、推薦で合格するお子さんというのは、特別な資質を持っている子供なのではないかと思います。例えばスポーツ、音楽、芸術などで幼少の頃から打ち込んでいるものがあり、他の人より抜きんでているというようなことです。
何かに打ち込んだ子供というのは、努力してきたことが精神的支柱となり、特別な輝きを持っているものです。その輝きを先生たちは見抜いているのではないでしょうか。その意味では小手先の受験対策で推薦突破は難しいでしょう。
ここまで読んで「うちの子は特別な才能がない・・・」とがっかりしてしまった親御さんもいらっしゃるかもしれません。でも諦める必要はないと思います。小手先のテクニックではなく、お子さんと一緒に子供の長所やこれまで頑張ってきたことをたな卸ししてみてはいかがでしょうか。どんなお子さんでも他にはない輝く点があるはずです。
長所・頑張ってきたことをたな卸しすることにより、自分に自信を持てるようになります。自信を持てば意識や行動が変わります。それは面接にも現れるでしょう。
また、たな卸しした内容は推薦申し込み時の志望理由書記入にも役に立ちます。親ができる最大のサポートは志望理由書をきちんと書くことではないかと思います。「御校の校風に惹かれて・・・」というような内容では目にも止まらないでしょう。お子さんと一緒に自己分析をして、長所を引き出して書くとよいのではないかと思います。
ポイント
志望理由書は小手先で書いた言葉では響きません。ある程度時間をかけてたな卸しすることをお勧めします。願書を取り寄せてから提出まではそれほど時間に余裕がありません。あらかじめ志望理由をまとめておきましょう。
推薦選抜は受けたほうがよいのか?
推薦選抜は倍率15倍以上の狭き門です。
年度 | 募集数 | 応募数 | 受験数 | 合格数 | 倍率 |
2020 | 男子 | 278 | 275 | 14 | 19.6倍 |
女子 | 334 | 333 | 16 | 20.8倍 | |
2019 | 男子 | 237 | 237 | 15 | 15.8倍 |
女子 | 273 | 270 | 17 | 15.9倍 | |
2018 | 男子 | 181 | 181 | 14 | 12.9倍 |
女子 | 261 | 259 | 16 | 16.2倍 | |
2017 | 男子 | 181 | 179 | 14 | 12.8倍 |
女子 | 236 | 235 | 16 | 14.7倍 |
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グループワーク、面接対策など推薦対策をみっちりやらないと推薦合格はかなり難しいでしょう。
推薦対策にそれなりの時間を費やすことになるので、推薦選抜は受けずに一般選抜に注力するというのも一つの戦略です。それでも私は次の3つの点から推薦選抜に申し込むことをお勧めします。
推薦選抜を受けることのメリット
15倍でもチャンスはある
受験倍率15倍といっても15人に1人は合格するわけです。周りは同じ小学生です。能力にそれほど差はないはずです。誰にでも合格するチャンスはあります。
試験慣れできる
一般選抜の前に同じ会場で試験を受けられるというのは大きなメリットだと思います。一般選抜での緊張感が少し和らぐでしょう。
学習モチベーションを早い段階で高めることができる
私たちは、推薦選抜は試験慣れが目的で、もし合格ができたらラッキーくらいに考えていて、子供もそのような意識でした。
それでも推薦を受けると決めた後、学習の仕方に変化が現れました。「受験するなら受かったらラッキーではなく、受かるつもりで取り組もう」と学習意欲が高まったのです。
結果としてはだめでしたが、推薦を受けることによってモチベーションを高めることができたことはプラスになったと思います。子供も推薦選抜を受けたことはよかったと言っていました。
注意ポイント
注意点としては、ダメ元という気持ちで受験したとしても(合格を期待していなかったとしても)、残念な結果になった場合、かなり気持ちが萎えます。子供もそうですし、親もこたえます。気持ちの切り替えが重要です。
誰でも推薦を受けられる
余談ですが、私たちは推薦は学校の成績がよくて先生から認められた場合のみ受験できるとの思い込みがありました。調べてみたところ、東大附属の推薦において人数制限はなく、希望すれば誰でも推薦選抜を受けることができることを知りました。
FAQ 推薦入試で小学校ごとに人数制限をしていますか?(公式サイト)
それでも半信半疑で恐る恐る小学校の先生に推薦選抜用の推薦書類の記入を依頼したところ、あっさり引き受けてくれました。